▲平安神宮
京都の明治時代の神社特集
今回は明治時代の神社特集。
京都にある明治時代に建てられた神社を集めました。
神社とは何か?
その答えの一部がわかる気がしてきます。
①平安神宮
②白峯神宮
③護王神社
④梨木神社
⑤豊国神社
⑥建勲神社
⑦京都霊山護国神社
▲平安神宮応天門
天皇を祀る神社:平安神宮
平安神宮は平安京遷都から1,100年を記念して建設された神社。
神様には平安京遷都を実施した桓武天皇を祀ります。
京都に古来よりある神社とは成り立ちが異質です。
本物の神様とのゆかりが無く。
怨霊になっていない天皇を祀るのも明治時代以前にはありませんでした。
天皇は神聖にして侵すべからず。
明治時代から始まる天皇の神格化を象徴する神社です。
▲白峯神宮
白峯神宮
白峯神宮は怨霊である崇徳天皇を祀る神社。
崇徳天皇は平安時代の天皇ですが。
白峯神宮は幕末から明治時代にかけて建てられました。
讃岐(現在の香川県)の白峯陵に眠る崇徳天皇の魂を京都へ移管。
幕末の戦争に勝つために怨霊である崇徳天皇の力を借りたい!
江戸幕府を倒すために神頼みならぬ?怨霊頼み。
江戸幕府との戦争必勝祈願が白峯神宮建設の目的ですが。
平安神宮と同じく天皇の神格化も目的の1つです。
▲狛猪
忠臣を祀る神社:護王神社
和気清麻呂を祀る神社。
和気清麻呂と言えば、宇佐八幡宮神託事件で活躍した人物。
道鏡が天皇になろうとしたのを阻止したのが和気清麻呂でした。
その功績が幕末から明治に見直されまして。
和気清麻呂を祀る神社が京都御所の隣に建設されました。
つまり天皇のために命を懸けて働くことが美談になり、英雄になる。
護王神社には天皇が大切であることを伝える側面がある神社です。
▲梨木神社の鳥居
梨木神社
梨木神社は三条実美を祀る神社。
三条実美は倒幕派として幕末から活躍した公家。
明治政府では太政大臣まで勤めた政府中枢の1人。
江戸幕府を倒して天皇を中心とした明治政府の建設に尽力した人物。
梨木神社も天皇のために働いた人物を神様にした神社の1つ。
個人的には三条実美は司馬遼太郎作品の中では無能な奴みたいな描かれ方なので。
あんまり良いイメージがないのですが。。
▲豊国神社
富国強兵を目指す神社:豊国神社
豊国神社は豊臣秀吉を祀る神社。
元々は秀吉が建てた方広寺の敷地に明治政府が豊国神社を建設。
明治政府が豊国神社を建設した理由の1つに。
秀吉が朝鮮半島へ侵攻したことを評価してる部分があります。
当時は欧米先進国が後進国アジアを次々に植民地にしていましたので。
いずれ日本も植民地になる危機が迫っていました。
明治政府は急いで日本も先進国にしなければならないと考えており。
他国へ侵攻した秀吉を神様のように英雄化することで、
正統な理由があれば他国への侵攻を肯定する世論を作ることにしました。
▲建勲神社
建勲神社
建勲神社は織田信長を神様として祀る神社。
建勲神社を作った理由の1つに富国強兵に努めた点があります。
建勲神社の由緒にも信長がヨーロッパの文明に着目して。
世界情勢を把握して富国強兵に努めた。
信長がいなければ日本の近代化は大きく遅れていたと言及されています。
織田信長のことを富国強兵に貢献した神様と思う人はいますか?
▲本殿
維新に貢献した志士を弔う:京都霊山護国神社
ペリー来航以来に倒幕派で命を落とした志士達を弔うために建設された神社。
元々は維新側の人間のお墓しかありませんでしたが。
第2次世界大戦前に戦没者の方々も合祀されるようになりました。
坂本龍馬と中岡慎太郎のお墓があることで有名なのですが。
一番高くて見晴らしの良い場所に木戸孝允のお墓があります。
編集後記
神社とは何か?
まだまだ私はその答えがわかっていないのですが。
建設理由がわかりやすい明治時代の神社を集めてみました。
私は神社が好きなのですが。
明治時代の神社はあまり好みではありません。
理由は建設理由に権力者の都合を強く感じてしまうからです。
もちろん明治時代を否定するつもりはありません。
幕府を倒したからこそ現在の豊かな日本があると思いますし。
大久保利光を筆頭に当時の政府中枢の方々の責任感と覚悟。
命懸けでこの国の未来を作る胆力は現代人にはとても真似できないほどに。
立派で尊敬しております。
あくまで神社の好き嫌いの話です。
一方で私の大好きな下鴨神社、上賀茂神社には権力者の都合は少なめです。
下鴨、上賀茂神社も権力者によって建てられたのですが。
明治時代の神社とは異なります。
下鴨、上賀茂神社に行ったことのある方ならわかってくれますよね?
残念ながらその違いを理路整然と人に説明できるほどの知識が私にはありません。
コツコツと多くの神社を訪れたり、本を読んだりして勉強中なのです。
1つ言えることは時代と場所によって神社にも色々と種類があると思います。
その答えを知るには京都ではなく。
もっと古くからある神社を訪ねる必要があるのかなと思っています。