▲手のひらの京表紙
手のひらの京|綿矢りさ著の感想とゆかりの地巡り
こんにちは。
今回は手のひらの京(綿矢りさ著)を読んだ感想とゆかりの地巡りです。
綿矢りさ著の本は初めて読みました。
お盆休みに読書でもしようと本屋でたまたま見つけたことがきっかけ。
普段は小説を全く読まないのですが。
何気なく手に取って良かったですし、良い休日を過ごすことができました♪
①次女の羽衣が一番好き
②何気ない日常と思いきや急に怖い展開に
③京都人のイケズにめっちゃ共感
④読後は「平和な話だなー」って思った。
▲春の半木の道
手のひらの京の舞台の景色
私は2019年9月に京都移住しました。
これは仕事や家族の都合ではなくて、京都が好きで働いていた地元の企業を退職し、京都の企業に転職しました。
手のひらの京の物語の舞台は京都。
主人公は京都生まれ京都育ちの3姉妹。
京都を舞台に3姉妹それぞれの日常が描かれた物語でした。
私にとって楽しかったことは。
物語の舞台が京都ということもあり、知っている場所が随所に登場することでした。
登場人物たちが立つ景色、街の光景が読みながら頭に浮び、より臨場感を感じながら物語が進んでいきました。
という訳で。
手のひらの京に登場した場所を巡ってみます。笑
私が京都観光した際に写真撮影したことある場所だけになりますが。
ネタバレは極力しないように心掛けましたが、少しはネタバレしちゃうので、まだ読んでいない方は読んでから記事を読んで頂けますようお願いします。
▲半木の道
物語の始まりは半木の道から
私は物語の最初から手のひらの京の世界に引き込まれました。
三女の凛が自転車に乗って家に帰る場面から物語が始まりますが、その場面が私の大好きな半並の道の近くだからです。
春になると賀茂川沿いは桜が咲き、賀茂川上流の上賀茂神社近くまで桜並木が続く景色は大好き。
爽やかな青空、太陽の光で煌く賀茂川、ピンクの桜を見ると、嫌なことも一瞬で頭から消えるんです。
きっと作者の綿矢りささんも思い出のある場所なのかな?と少し思ったりしました。
▲祇園祭の宵山では四条通りは歩行者天国に。
▲夜は祭気分を味わえる
祇園祭で同級生との出会い
長女の綾香が31歳で独身彼氏無しの自分の境遇をふと考えていると、降りるべきバス停を乗り過ごしてしまい祇園祭真っ只中の四条に辿り着く。
せっかくだから一人で祇園祭を楽しもうと思ったら、偶然にも中学校の同級生と会う場面。
綾香にとってこの祇園祭で同級生に会ったことは、婚活を本気でするきっかけになりました。
▲納涼床が並ぶ鴨川
京都に移住して思うのは、街が狭い。
遊ぶ場所が限られているので、休みの日は京都中の人が四条界隈にいるような感覚。
職場の人にも何度か会ったこともあります。
これは嫌です。笑
移住した私でも狭く感じるので、小さい頃から京都で暮らしていたら知り合いに会う確率はどんどん高くなります。
私は外から来た人間だからマシですけど、もしも自分が京都人だったらゾッとします。
▲貴船神社の灯篭
貴船神社
三女の凛が大学院の友達と夏休みに貴船神社へ。
貴船のカフェで神社の境内で彼氏とエッチをしたというメモを見つけた場面は何だったのか。。。笑
京都人イケズ
次女の羽依が職場のおばちゃん社員に京都人特有のイケズ(嫌がらせ)を受けて、ブチ切れる場面は私もスカッとしました。
京都人のイケズには日々ストレスを感じているからです。
本の中では京都人のイケズを受けたら、やり返さずに黙って受け止めるのが暗黙の京都ルールとありながらも、羽依は正々堂々と言い返します。
これに私は凄く共感!
なぜなら私もイケズを言ってきた本人に「あなたがこんなこと言ってると聞いたんですけど!?」と言うタイプだし、職場でもそうしてるからだ。
だから本を読みながら頑張れ羽依って応援していました。笑
▲蹴上駅と言えば南禅寺だけど。
前原先輩の自宅
物語の中で最もハラハラする場面は間違いなく次女の羽依と職場の先輩であり彼氏だった前原の家での場面でしょう。
ハラハラと言っても、気持ち悪いというか、怖いというか。
三姉妹の何気ない平和な日常が続くと思いきや、突然に「えっ!?どうなってしまうの!?」と羽依の行く末が心配になりました。
それにしても。
蹴上に住んでいるのが謎というか。
蹴上に一般の人が住むようなイメージが無くて、賃貸サイトで蹴上駅周辺の物件を探してしまいました。。。笑
▲八坂神社前
▲伏見稲荷大社の千本鳥居
初詣
長女の綾香は八坂神社へ。
次女の羽依は伏見稲荷大社へ行きました。
京都には有名な神社が多くて、みなさんは初詣にどの神社に行ってるのか気になっています。
職場の方の多くは家の近所にある神社に行くと聞きますが、旅行雑誌などでは必要なご利益によって使い分けるみたいな記事も見たことありました。
私は正月は実家に帰るので、京都の神社で初詣をしたことがありません。
いつか京都で大切な人と初詣をしたいですが。。。
▲嵐山と渡月橋
嵐山
お正月の夜に長女の綾香は嵐山にいました。
物語も終盤です。
京都人はどこで好きな人に告白するのでしょうか?
そんな疑問の答えを1つ教えて貰いました。
嵐山は昼間にしか行ったことがなくて、夜はどんな雰囲気なのか知りませんでした。
京都に住んでいれば、いつか夜に嵐山に行く機会があると思うので、その時は手のひらの京の場面を思い出すんだろうな。
▲鴨川から上流の山々を眺める
終わりに
長くなりましたが、最後にまとめです。
小説の力ってすごいなあと思いました。
これからは京都の光景の中に「綿矢りさ作品でこの場所が出てきたなー」なんて思い出すこともあるでしょう。
いつも見てきた景色に今後は新しい感情が芽生えることになりそうです。
学校の教科書に出てきたことは忘れても、物語に出てくると忘れない。
お盆休みに良い時間を過ごさせて頂き、ありがとうございました!