▲建仁寺の勅使門
建仁寺の歴史を修学旅行レポート。
こんにちは。
今回は京都の建仁寺(けんにんじ)の歴史について記事にしました。
他県にお住まいの人で建仁寺の名を聞いたことのある人は少ないのではないでしょうか?
建仁寺は京都にある禅宗寺院の中で最も古い歴史を持ち、学校の歴史の授業で習った鎌倉新仏教のうちのひとつである臨済宗(りんざいしゅう)を開いた栄西(えいさい)によって建てられたお寺です。
鎌倉新仏教と言えば、念仏を声に出して唱えれば誰でも極楽に行くことができるという教えを広めた浄土宗の法然、念仏を声に出さずとも心で唱えれば良いとした浄土真宗の親鸞、つべこべ言わずに座禅をするべしとする曹洞宗の道元など、試験に出るからと暗記しましたよね。
そして今回は京都の繁華街である祇園に佇む、臨済宗を開いた栄西とゆかりのある建仁寺の歴史について修学旅行レポートを担任の先生に提出つもりで記事にしてみました。
▲建仁寺の山門から法堂
なぜ栄西は建仁寺を建てたのか?
栄西は現在の岡山県の神社に仕える神職の家に生まれ、14歳の時に京都の比叡山延暦寺で修業をするために上京したと言われています。
栄西は延暦寺の中でも若くして非常に頭が良いことで有名となり、延暦寺に伝わる天台密教と呼ばれる教えの奥義を極めました。それだけでなく自ら葉上流と呼ばれる新しい学問を開くほどの秀才として名をはせます。
しかし栄西は延暦寺で仏教を学ぶうちに、延暦寺の在り方に疑問を持つようになります。当時の延暦寺は武器を備えた武士と同等の力を持つ僧兵を配備し、朝廷の貴族たちの出世争いや政治活動にも積極的に関わっていました。
さらに延暦寺の僧侶達は天台宗の教えを貴族たちの願いを叶えるため、お金儲けのために利用して一般市民のことなど一切考えないようなお寺となっていたことから、栄西は仏教の教えとは本来は貴族のためだけでなく庶民の心を救うために存在するはずなのにと悩み苦しみました。
▲建仁寺法堂
仏は金持ちしか救わない存在なのか?
そしてその悩みを解決する答えを求めて当時の中国である宋に留学した時に、禅宗のひとつである臨済宗の教えに出会ったのでした。
禅宗は静かに座禅を組むことで自分自身の心を鍛えることで、仏の教えに近づく教えです。
決して誰かにお金を払って願いを叶えて貰うようなものでなく、自分自身と向き合って人生の答えを自分で見つける教えです。
本来の仏教の教えを忘れて暮らす延暦寺の僧侶たちに頼ることなく、座禅を組むことなら誰でもできます。禅宗には多くの庶民を救う力があると栄西は感じ、その教えを日本に持ち帰ってきたのです。そして栄西が日本で臨済宗の教えを広めるために建てたのが京都にある建仁寺になります。
▲建仁寺の山門
栄西の臨済宗は鎌倉幕府や武士に支持される。
栄西は宋から日本に帰国した後に建仁寺を建てます。
建仁寺のある土地は当時に六波羅探題と呼ばれる鎌倉幕府が京都を監視、統制するための施設のすぐ近くに建設されたことからもわかる通り、鎌倉幕府や武士たちに厚く信仰されました。鎌倉幕府2代目将軍である源頼家の支援もあり建仁寺は誕生しました。
命をかけて戦場で戦う武士達には強靭な精神が必要だったことから、禅宗の自分の心を鍛える教えが役に立ちました。
お金を払って密教の僧侶に戦争の勝利を願ったところで、実際に戦争に参加して武器を持った敵と向かい会った時に必ず勝てる訳ではありません。殺るか殺られるかの場面で人の力に頼っている場合ではありません。
私には想像するだけでも恐ろしい局面では、自分の力で自分の命を守るしかないのです。そんな状況で神様に祈ることに意味がないことは私にも理解できます。自分の命を守ることができるのは日々の鍛錬とメンタルの強さです。
臨済宗は鎌倉幕府だけでなく室町幕府にも厚く信仰され、室町時代にできた五山制度と呼ばれる京都の禅宗寺院を格付けする仕組みの中で建仁寺は第3位にランク付けされる格式高い寺院として発展しました。
▲建仁寺の茶碑
日本にお茶を伝えた栄西
現代の私達にとってお茶はとても身近な飲み物となっていますが、元々は中国の飲物であり日本には輸入して広まった飲み物になります。
そして最初にお茶を日本に伝えたのが栄西と言われています。建仁寺には栄西がお茶を伝えたことを称えた石碑が建っています。
栄西は中国への留学から帰国した際にお茶の苗を日本に持ち帰り、日本でお茶を栽培してお茶を飲む習慣を広めました。
建仁寺へのアクセス方法
建仁寺へは京都駅から祇園方面へバスで向かうのが一番簡単です。
私は京都のバスは渋滞や観光客で満員バスになることが多いので、なるべく電車を利用するようにしていますが。。。
電車を利用する際は京都駅から市営地下鉄で四条駅で降りた後、歩いて建仁寺へ向かうことが多いです。
▲観光客で賑わう祇園花見小路通の突き当りに建仁寺はあります。
四条駅から建仁寺までは約20分程かかりますが、京都の繁華街である四条から建仁寺のある祇園などを歩くのは楽しいです。買い物をしながら観光を楽しむことができるのでおススメです。