京都の歴史修学旅行レポート

三千院の歴史を修学旅行レポートにて提出致します。

三千院と有清園

三千院と有清園
▲三千院の本堂と有清園

三千院の歴史を修学旅行レポートにて。

こんにちは。
今回は三千院の歴史について記事にしました。

三千院(さんぜんいん)は京都の大原と呼ばれる農村地域にあるお寺で、京都駅からバスで約1時間ほどかけて訪れる場所です。
京都駅から大原へ向かうバスの窓から見える景色は都心からどんどん山の中へと変わっていき、大原のバス停を降りると目の前には田んぼと山々が連なる風景が広がっています。
観光客で混雑する京都中心部とは違い、のどかな雰囲気を感じることができます。

三千院は1965年にヒットした「女ひとり」(歌:デューク・エイセス)という歌の歌詞に出てきたことから観光名所として人気に火がつきました。
そして現在でも人気の観光名所となっていますが、清水寺や金閣寺などの超有名スポットを一通り巡ったけど、まだまだ京都を楽しみたいという京都好きが訪れる場所かと思います。

今回は三千院の歴史について修学旅行レポートを学校の担任の先生に提出する気持ちで記事にしてみました。

三千院御殿門
▲三千院の御殿門

三千院は誰が建てのか?

三千院の歴史は鎌倉時代から始まりましたが、三千院という名前が付けられたのは明治時代になってからのことになります。
明治時代以前には鎌倉時代から円融坊と呼ばれ、天皇の息子である親王や貴族など限られた人達がお寺に入る皇室と繋がりの深いお寺として存在していました。

鎌倉時代当初は院政を行った後白河天皇から支持を受けて、京都の都心で暮らす貴族達が人里離れた三千院を訪れては落ち着いた静かな時間を楽しんだと言われています。
極楽往生院
▲極楽往生院

極楽往生院は極楽を表現

三千院の建物は建てられた時代が建物によって違い、客殿は室町時代、宸殿は昭和時代、本堂である極楽往生院(ごくらくおうじょういん)は鎌倉時代の建物になります。

本堂の往生極楽院は鎌倉時代に創建された時のままの姿を保っており、院政期の雰囲気を今に伝える貴重な文化財となっています。
杮葺き(こけらぶき)の屋根と落ち着いた色合いの建物と苔で覆われた庭園が美しい。
当時の貴族達が思い描いた極楽世界が表現されています。

京都大原田園風景
▲京都大原の風景

なぜ大原エリアに三千院は建設されたのか?

大原は京都の市街地から北方に位置する農村になります。
大原のバス停を降りれば目の前には山と田んぼに囲まれた風景が広がっています。
何故こんな場所に三千院という観光名所になるお寺が建てられたのか不思議に思います。

大原は比叡山の麓に位置しており、当時は比叡座延暦寺の信仰を広める場所として発展しました。
延暦寺は比叡山の山頂にお寺があるため、延暦寺を訪れるためには山を登る必要があり、気軽に行ける場所ではありません。そのため町に住む貴族達が山を登るか、延暦寺の僧侶達が山を下りて町で活動する必要がありました。
京都大原の田園風景
▲大原の景色

延暦寺の信者獲得のために。

どちらも大変ですので、その間を取って比叡山からも近く町からも離れて静かに修行を行うことができる大原が選ばれました。また京都から日本海側へと通じる街道沿いにあることも大原の発展に寄与しました。

鎌倉時代の天皇である後白河天皇が大原を訪れた記録も残っており、また天皇の息子である親王たちや貴族達が大原に足を運び、人里離れた場所で仏教の教えに触れて死後に極楽世界へ行くことを望みました。

延暦寺にとってもお金をたくさん持っている貴族や天皇を信者にすることで自分達も稼ぐことができるので、大原の地は貴族にとっても延暦寺にとっても都合の良い場所となりました。

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極楽往生院と苔庭
▲極楽往生院と苔庭

貴族達の極楽への憧れ

三千院の本堂は極楽往生院という名前が付けられており、当時の貴族達が死後に極楽、今で言う天国に行くことを願ってきたことが想像できます。
当時の貴族達は死後の世界を信じており、極楽に行けることを願って多額のお金や財産をお寺に寄付したり、自ら豪華な立派なお寺を建てました。
お寺にお金をたくさん寄付すればするほど極楽に行けると考えられていました。
ただしそのお金は国民から徴収した税金ですけどね。。。

学校の教科書では南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と唱えることで誰もが極楽に行けると、浄土宗を設立した法然(ほうねん)や浄土真宗を設立した親鸞(しんらん)という僧侶が登場し、お金は関係なく念仏を唱えることを信じる教えが広まったことを習いました。
法然や親鸞が登場する前までは極楽世界は貴族達だけが行ける場所とされていましたが、彼らの登場で一般庶民も極楽世界を信じるようになりました。
極楽往生院
▲極楽往生院は本堂内は写真撮影禁止です。

三千院は貴族達が極楽を願った姿が残っています。

京都市街地にある有名どころにも負けない美しさと品の高さを誇っています。
三千院本堂の国宝の阿弥陀如来像はもちろん、緑の苔で覆われた瑠璃庭園は美しく、お寺の境内全体が貴族達が描いた極楽世界を表現しているかのようです。
また京都都心から離れていることもあって、清水寺や金閣寺に比べて観光客は少なくて静かな時間を過ごすことができます。

三千院へのアクセス方法

京都駅から三千院へ行くにはバスで行くしかできません。
(下車駅:大原駅 乗車時間:約1時間 乗車賃:550円)
京都駅前にはバスターミナルがあり、行き先毎にバス停が並んでいますので「大原行き」と書かれたバス停からバスに乗りましょう。