▲下御霊神社の鳥居
下御霊神社の歴史を修学旅行レポートにて。
こんにちは。
今回は下御霊神社の歴史について記事にしました。
下御霊(しもごりょう)神社は京都御所からほど近く、京都の繁華街である寺町商店街から寺町通りに沿って北へ向かうと行くことのできる、京都の町なかにある神社です。
御霊(ごりょう)とは強い恨みを持って亡くなった人があの世で怨霊(おんりょう)となりこの世の人々を呪い苦しめた後に、この世の人々が怨霊を恐れて恨みを鎮めて貰おうと神様のように祀った存在です。
形式上は御霊とは、もうこの世に恨みを持っていない神様として扱われていますので、決して下御霊神社を参拝すると祟り(タタリ)が起こるなど恐怖の神社ではありません。安心してご参拝して下さい。。。笑
現在の下御霊神社は地元の人に信仰されている神社となっており、京都の中でも美味しい地下水が湧くことから近所の人が水を汲みに来ることで知られていますが、他県にお住まいの人で下御霊神社の存在を知っている方はほとんどいないのではないでしょうか。
今回は下御霊神社の歴史を修学旅行レポートとして学校の担任の先生に提出するつもりで記事にしてみました。
▲寺町通り沿いにある下御霊神社
誰が下御霊神社を建てのか?
下御霊神社の歴史は古く、日本の都が京都の平安京へ遷る前から存在していました。
当時は下出雲神社と呼ばれ、地元の人達から信仰されてきた神社でした。
そこへ794年に平安京が設立されて、下出雲神社は下御霊神社へと再編されることとなりました。
日本の都を奈良から京都へ遷すことを決断した当時の天皇は桓武天皇です。
桓武天皇は平安京を整備する中で、元々あった下出雲神社をある理由で下御霊神社へと改めました。
▲桓武天皇の肖像画 wikipediaよりお借りしました。
桓武天皇が恐れた怨霊
桓武天皇は下御霊神社を建設する際に、自分の弟である早良親王(さわら親王)を神様として下御霊神社に祀りました。
早良親王は桓武天皇の実の弟であり、桓武天皇の次に天皇になることが決まっていました。
しかし都を平安京に遷す前に長岡京に都を遷す予定だったのですが、長岡京の建設中にリーダー格だった藤原種継という人が何者かに暗殺され、その犯人の黒幕が早良親王だったという事件が起きました。
そのため桓武天皇は実の弟である早良親王を逮捕し、次の天皇になる資格を剥奪し、京都から追放の刑にします。
しかし早良親王は無実を主張し、兄である桓武天皇に対して誰かの陰謀によって自分は嵌められたと訴えましたが、桓武天皇は早良親王の言うことに耳を傾けません。
早良親王は自分の無実を証明するために、絶食して衰退しながら命を落としました。
▲下御霊神社の舞殿
桓武天皇の陰謀
普通であればそれで話は終わりなのですが、早良親王が亡くなった後に急に桓武天皇の親しい人が次々に亡くなることが続き、人々は早良親王の呪いだと噂しました。
当時の世の中では恨みを持った人が祟りを起こすことが信じられていたので、桓武天皇は早良親王の怨霊を恐れ怒りを鎮めるために神様として丁重に祀ったのでした。
そのため下御霊神社と京都御所の北にある上御霊神社はわざわざ天皇がお参りをする神社として、天皇家の守り神として丁重に扱われる神社となりました。
また桓武天皇は弟の早良親王よりも自分の息子を次の天皇にしたいがために、早良親王を陰謀に落とし入れたとも言われています。
桓武天皇は弟を死に追いやったことに罪悪感を感じ、余計に丁重に祀ることにしたのかもしれません。。。
▲舞殿から拝殿を眺める
どんな神様が祀られているのか?
下御霊神社には早良親王だけでなく、他に七人もの元怨霊が祀られています。
怨霊ということは、生きてる時に何かしらこの世に恨みを持って亡くなった人達ということです。
下御霊神社には早良親王、橘逸勢、文室宮田麻呂、菅原道真、藤原広嗣、吉備真備、伊予親王、藤原吉子の8名の御霊が祀られていますが、皆さん権力争いに敗れたり、陰謀に巻き込まれて本当は無実なのに有罪判決を受けた人です。
▲下御霊神社の拝殿
8人の元怨霊
現代社会において恨みを持って亡くなった人を神社に祀ることで怨霊が御霊になるという理屈は理解しがたいと思います。しかし当時の社会では怨霊という存在は真剣に信じられており、天皇が自ら怨霊を祀り国家規模で一人の人間を神社で祀ることに効果があると考えられていました。
現在の下御霊神社を訪れる人の多くは、きっとどんな神様が祀られているのかを知っている人は少ないでしょう。
8人の元怨霊達は今でも恨みを持ち続けているのか?それとも御霊として京都を人々を見守ってくれているのだろうか?その答えは誰にもわからない。
下御霊神社へのアクセス方法
京都駅から下御霊神社へ行くにはバスで行くのが良い方法です。
(下車駅:河原町丸太町駅 乗車時間:約17分 乗車賃:230円)
京都駅前にはバスターミナルがあり、行き先毎にバス停が並んでいます。
しかし下御霊神社は多くの観光客が訪れるような観光名所ではありませんので下御霊行きと書かれた看板はありません。そのため市営バスの「205号(反時計回り)」行きと書かれたバスに乗って下さい。
しかしながら他県から下御霊神社を目的に京都を訪れる人はいないと思いますので、京都御所を観光する際には徒歩で行ける距離にある下御霊神社をついでに訪れて、そのまま寺町商店街や京都一の繁華街である河原町方面まで観光するのが良いと思います。