▲月読神社鳥居
月読神社の歴史を修学旅行レポートとして。
こんにちは。
今回は京都の月読神社の歴史について記事にしました。
月読神社(つきよみ神社)は観光地として人気のある嵐山の近くにあります。
現在は日本酒の神様としても知られる松尾大社(まつおたいしゃ)の摂社となっており、京都の中では安産の神様としても信仰されています。
月読神社は他県にお住まいの方がわざわざ訪れるような見所のある神社ではなく、地元の人から信仰されているこじんまりとした神社です。
月読神社の近くにはApple創業者のスティーブジョブスも訪れたことのある苔の庭園が美しいことで有名な苔寺があることから、苔寺目当ての観光客が偶然フラッと立ち寄ることがあるかないかの地元の神社です。
今回は月読神社の歴史を修学旅行レポートとして学校の担任の先生に提出つもりで記事にしてみました。
▲月読神社一の鳥居
月読神社にはどんな神様が祀られているのか?
月読神社の歴史は古く、日本の都が京都の平安京に移る前からこの地にありました。
月読神社はその名前の通り、日本神話に登場する神様の一人である月読尊(つきよみのみこと)を祀る神社です。
最近では月読尊と聞いても日本神話に出てくる神様だとご存知の方はほとんどいないのではないでしょうか?日本神話って何ですか?という人がほとんどだと思います。
最近では週刊少年ジャンプで大ヒットとした漫画「NARUTO-ナルト-」の登場人物うちはイタチの必殺技「月読(ツクヨミ)」のことを頭に思い浮かべる方のほうが圧倒的に多いと思います。
月読尊を祀る神社は京都だけではなく関東地方から九州地方にかけて何か所か存在しており、全て月読神社という名前でその地域の人から信仰されています。
中でも京都の月読神社は長崎県の壱岐島にある月読神社と関係が深いと言われています。
▲月読神社本殿
誰によって月読神社は建てられたのか?
日本神話が書かれた日本書記によれば、487年に朝廷から現在の朝鮮半島にあった任那(みなま)という国に使者を送る際に、使者の阿閉臣事代(あへのおみことしろ)に月神から「私を祀る神社を建てなさい」というお告げがありました。
阿閉臣事代は月神からお告げがあったことを朝廷に伝えると、朝廷は月神のお告げの通りに現在の月読神社のあるエリアに月読尊を祀る神社を建てることにしました。
そして朝廷は壱岐島で勢力のあった押見宿祢(おしみすくね)に月読神社を管理させることを決め、それ以降は押見の子孫達が月読神社を守ることになります。
▲月読神社舞殿
壱岐島の押見宿祢とは。
壱岐島は地理的に朝鮮半島に近いこともあり、中国や朝鮮の進んだ技術や知識を日本に輸入することで朝廷からも重要視されてきた場所でした。
また当時は神様のお告げや、占いなどが信じられていたこともあり、壱岐島には中国から伝わってきた最新の占いを操る人達が存在し、朝廷からも大事にされていました。
そんな彼らから月神様のお告げがあれば、人々は神様の言葉だからと望み通りに行動しました。
科学の発達した現代に生きる私達にとっては、神様のお告げなんて嘘みたいな話です。
月読神社には日本神話に登場する有力な神様の月読尊が祀られていますが、その一方で地理的に大陸からの最新技術が日本列島よりも早く伝わることを利用して朝廷に近づき、自分達の勢力を拡大しようとした意図が透けて見えてきます。
九州の壱岐島に勢力を持つ彼らは、朝廷から月読神社のある土地を与えられ、朝廷とより近い場所に勢力を置くことができました。実際に朝廷で行われる儀式にも参加しました。
当時の人々が神様の存在を純粋に信じていた姿が見える一方で、自分たちの繁栄を模索して生きていた姿も見えてきました。
▲月延石
京都の安産の神様として。
月読神社は京都の中でも安産のご利益がある神社としても知られています。
神社境内にある月延石(つきのべ石)を撫でると安産のご利益を得ることができると言われています。
月延石は神功皇后とゆかりがあり、安産信仰発祥の石とも言われています。
神功皇后は女性でありながらも勇敢なお方で、妊娠しながらも当時の朝鮮半島にあった新羅(しらぎ)という国との戦争で陣頭指揮と執って勝利を収めました。
その力強いエピソードにあやかり、安産のご利益がある神様として全国各地で信仰されています。
月読神社へのアクセス方法
わざわざ他県から月読神社だけを目的に京都へ訪れる人はいないでしょう。
松尾大社や観光名所の嵐山からも近いことから、嵐山観光をする際に一緒に立ち寄ってはいかがでしょうか?
京都駅から月読神社へはバスか電車で行きます。
バスであれば京都駅前から松尾大社前行きのバスに乗りましょう。
松尾大社から月読神社までは徒歩5分ほどで到着です。
(京都駅から松尾大社前まで乗車時間:30分。乗車賃:230円 )
電車で行く場合は京都駅から市営地下鉄で四条駅まで行き、阪急電車に乗り換えて松尾大社前まで行きます。
(京都駅から四条駅までは乗車時間4分。乗車賃:210円 ⇒ 阪急電車に乗り換え四条駅(烏丸駅)から松尾大社駅までは乗車時間10分。乗車賃220円。)
▲松尾大社前の松尾橋から嵐山方面を眺める景色