京都旅行記

京都大神宮|伊勢神宮参拝と同等ご利益のスゴイ神社

京都大神宮本殿

京都大神宮門前
▲神社前

京都大神宮に行けば伊勢神宮参拝と同じメリットを享受

今回は京都大神宮に行ってきました。

京都大神宮は明治時代に建てられた神社。
伊勢神宮に行けない方のために作られた変わった神社です。

京都大神宮

①明治政府が建てた
②伊勢神宮参拝と同じご利益
③伊勢神宮を広める神社

京都大神宮本殿
▲本殿

伊勢神宮参拝と同じご利益を得られる神社

京都大神宮は伊勢神宮に参拝したご利益を得られる神社です。
それだけ聞くと胡散臭い話なのですが。
明治政府公認の由緒ある神社なのです。

京都大神宮は明治時代の1875年
明治政府によって建てられました。
つまり国家事業として建てられた神社です。

京都大神宮巫女様
▲本殿

なぜ建てられたのか?

明治政府がわざわざ京都大神宮を建てたのには理由がありまして。
簡単に言えば国民に伊勢神宮の権威を知らしめるためでした。

明治政府は長年続いた江戸幕府を倒して政権を獲ったのですが。
国民から信頼を得て明治政府ができた訳ではありません。
もちろん明治政府を支持する人もたくさんいたと思いますが。
戊申戦争で多くの命が犠牲になったことも事実。
多くの人から恨みを買うことになったのも現実としてありました。

自分達だけでは国民が言うことを聞いてくれないと思った明治政府は、
天皇の存在を利用しました。
その1つが伊勢神宮の地位を高めることです。

京都大神宮本殿
▲本殿

天皇を裏で操る明治政府

伊勢神宮は天皇家だけが祀ってきた特別な神社です。
古事記や日本書紀によれば、天皇は日本の神々の子孫という立場。
日本の長い歴史の中で最高格の神社が伊勢神宮。

そのような立派な神社の存在を国民に知らしめる。
日本の歴史の中で天皇の存在の大きさを国民に知らしめる。
そしてその天皇を裏で操るのが明治政府という構図です。

天皇の存在、言葉の重みが高まるにつれて。
明治政府の思惑通りに国民の心を捉えることに成功しました。

明治政府によって建てられた神社は京都にいくつかありますので。
ご興味ありましたら明治時代の神社特集記事もご覧ください♪

京都明治時代の神社特集|天皇と富国強兵を軸とする国家の姿 ▲平安神宮 京都の明治時代の神社特集 今回は明治時代の神社特集。 京都にある明治時代に建てられた神社を集めました。 ...

本殿に掲げてある看板
▲本殿に掲げてある看板

天照大御神と天皇の関係

伊勢神宮と京都大神宮には天照大御神(アマテラスのおおみかみ)という神様が祀られていますが、天照大御神は天皇家の祖先にあたる神様と言われています。
現在の皇居の敷地内にも賢所と呼ばれる天照大御神を祀る建物があり、現代の天皇家は古代より続く自分達の祖先を祀り続けています。

ただしアマテラスと言えば現代では天皇家の祖先を連想するよりも、少年ジャンプで連載されていた「ナルト」に登場するキャラクターのうちはイタチの瞳術を思い浮かべる人のほうが多いのではないでしょうか?

科学や医療の発達した現代に生きる私達にとっては、祖先が神様と言われても全く信じることができない話です。
もちろん論理的に、そして科学的に突き詰めて考えれば100%神様であるはずはありませんが、ある書物によれば天皇家の祖先は神様と繋がっています。
境内の外
▲一の鳥居 境内の後ろには百貨店の高島屋ビルが建つ。

古事記と日本書記

天皇家の祖先が天照大御神であると記されている書物に「古事記」と「日本書記」があります。学校の教科書にもこの2つの書物の名前は登場しました。
古事記と日本書記は天武天皇と持統天皇によってまとめられた天皇家と日本の歴史を記した書物です。

天武天皇は大化の改新(乙巳の変)で蘇我入鹿を討った中大兄皇子の弟であり、壬申の乱で中大兄皇子の子供を討つことで天皇になった人であり、持統天皇は天武天皇の奥さんに当たる人でした。

古事記と日本書記には、天武天皇が生まれる前から人々に語り継がれてきた日本の歴史と天武天皇と持統天皇にとって都合の良い後世に残したい歴史が記されています。
そこには天皇家の祖先が天照大御神という太陽の力を持つ女神として描かれており、日本という国がどうやって誕生したのか、何も存在しない世界に神様が現れて日本の土地が生まれ、多くの神様が日本の土地を豊かにしてきた物語が描かれています。

そして古事記と日本書記の物語を通して言いたいことはたった一つです。
それは日本は天皇家の祖先によって作られ、天皇家こそが未来の日本を統治すべき存在でであるという正統性です。
京都大神宮本殿
▲本殿

神様にすることで得られるメリット

現代人の私達には天皇家の祖先が神様であり、日本という国を作ったと言われても納得できませんし、怪しい宗教にハマって頭がおかしくなったのかと心配になります。

しかし大昔の人々は神様という存在を信じており、親やおじいちゃんやおばあちゃんから、「この国は天皇という偉い人の祖先が作ってくれたんだよ。」「天皇の祖先は神様でもあるんだよ。」と親から子や孫に小さい頃から語り継がれていれば、そう信じて生きていくでしょう。

日本国民全員が日本という国の中心には天皇という人がおり、彼らの祖先達から脈々とこの国が受け継がれてきたと信じていれば、国民は天皇のことを特別な存在に感じ、意識することなく天皇を中心にまとまってきました。
神話という作り話であろうとも、国民を天皇を中心にまとまる力になるのです。

私も含めて多くの日本人は、伊勢神宮にはどんな神様が祀られているのかを詳しく知ることなく観光して、名物の赤福餅や伊勢うどんを食べて楽しい思い出を作ります。
歴史を知らなくても伊勢神宮の厳かな雰囲気に触れれば、そこには本当に神様が住んでいる気がしてきます。
天照大御神のことなんか知らなくても、伊勢神宮が日本人のとって大切な場所であることを感じます。

せっかくなら伊勢神宮と天照大御神の歴史を少し知ると、古代から続く日本の歴史の根幹部分に触れることができそうな気がしました。
まだまだ学校の授業では習うことのない深い歴史が待っていそうです。

京都大神宮へのアクセス方法

京都駅から市バスに乗って四条河原町行きのバス乗り、四条河原町で降りてから徒歩5分ほどで到着です。
(京都駅から四条河原町駅まで乗車時間:12分。乗車賃:230円)